メタフィクション

27日の日記で、メタフィクションという言葉を使ったが、メタジョークという言葉も存在することに気付いた。それほど多く使われている言葉のようには思えないが。
筒井康隆の「虚人たち」を読んだときにも強烈な印象を受けたが、どうも僕はメタフィクション的なものに弱いようで、無条件に反応してしまう。
語られている内容がフィクションであろうとなかろうと、人は無意識のうちに物語の世界に同調し、登場人物の心の中に同調してしまう。メタフィクションは、登場人物がその物語のフレームからはみ出すことによって、世界を一瞬のうちに破壊する。
心の理論に出てくる「サリーとアン課題」は、他者の立場で考えることができるかというテストである。メタフィクションは、これの逆テストという捉え方も出来るのではないか。他者の立場に過剰に適応できてしまう自分の脳に対しての警告であると。