第二十九回 秋の街

秋の街 (中公文庫)

秋の街 (中公文庫)

短編七編。最後の作品は得意の漂流記。航海日誌だけから、これだけのものが創作できるというのは凄い。
吉村昭の小説について、以前から気になっていたことが一つある。長編作品に限ってだが、必ず「満天の星」という言葉が、どこかに一箇所出てくる。この言葉に特別の思い入れでもあるのだろうか?今回の作品の中の「さそり座」でも、一回使われていた。この作品はプラネタリウムを観る話なので、別に不思議ではないが。