第二十六回 お白洲無情

お白洲無情 (講談社文庫)

お白洲無情 (講談社文庫)

下総で農民を指導していた大原幽学が、八州廻りに目を付けられてから、裁判沙汰になり、判決を受けた後自害するまでを描いている。佐藤雅美には、歴史上のマイナーな人物を描いた「調所笑左衛門」、「幕末「住友」参謀 広瀬宰平」という傑作があり、この作品はそれらには及ばないと思うが、十分面白い。尤も、本作の主役は大原幽学ではなく、理不尽な裁判自体だろう。