評価関数 (2)

前回書いた駒割以外の評価項目は、駒の位置関係によるものだけである。
駒の位置関係は、以下の二種類の項目に分かれる。

  • KPP (King-Piece-Piece)
  • KKP (King-King-Piece)

(* これらの名前は、説明のためにここで適当に与えた。)


KPPは、一個の玉と玉以外の二個の駒の位置による効果の評価値である。
KKPは、双方の玉と玉以外の一個の駒の位置による効果の評価値である。

例えば、ある局面で、先手の玉が3八の位置で、後手の銀が4四、先手の歩が2七にあるという状態がKPPの一つの要素であり、その場合の評価値が評価パラメタとして与えられている。その局面の玉を含めた全ての三体位置関係の評価値を合計したものが、駒の位置関係の評価値となる。
KPPについて、玉以外の二個の駒が同じ場合も含まれていることに注意する必要がある。これは、玉と任意の駒の二体位置関係を表現していると考えられる。
説明の中で「位置」と呼んでいるものは盤上の位置だけではなく、持駒の状態のことも含めている。つまり、持駒の中に香車が二枚あるという状態も一つの「位置」であり、歩が0枚という状態も「位置」であると考えて評価される。


将棋のルールは、盤の左右反転に関して対称である。(初期配置の飛角の位置を除いて)
KPPとKKPの評価パラメタは、このことを反映して、三個の駒の位置を同時に左右反転した場所で同じ値になっている。(学習アルゴリズムの中で考慮されている)

左右対称による重複を考えなければ、KPPとKKPの要素数は以下のようになる。

KPP: 88292106 = 81 * 1476 * (1476 + 1)/2
KKP:  4842018 = 81 * 81 * 738