徳井義実
妄想漫才と呼ばれているが、よく観ると他にもう一つ特徴がある。
笑いのパターン自体を笑いの対象にしているというか、メタフィクションを漫才の中でやっている。
例を挙げると、
- ボケた後で、そのボケのシステムを自分で説明する
- 古すぎて誰もやらないベタなネタを、わざと堂々とする
- 全くボケないまま、真面目な話を喋り続ける
「R-1ぐらんぷり」でのヨギータは、下ネタを除いた全てのネタがメタフィクションになっていることに気付いてしまった。僅か一分間の「ショート落語」で、
- 「落ち」が何もないまま終わってしまう話
- 話が続かなくなり、登場人物が困惑したまま終わってしまう話
という妙な世界を創り出している。
これらは人を笑わせる手段というより、徳井自身の志向という感じがする。福田が偶にミスをしたときに突っ込みを入れているが、観客より徳井のほうが面白がっているように見える。